化粧品の基礎③
化粧品の3つのベース成分①「水性成分」⇒汗と天然保湿因子
水性成分とは、水や水に溶けやすい成分のことを指します。
・役割⇒保湿、浸透を高める、汚れを落とす、静菌
・具体的な成分名⇒エタノール、グリセリン、BG(ブチレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコール)、ヘキサンジオール、ヒアルロン酸、コラーゲン
※ヒアルロン酸やコラーゲンはよく聞きます。
よく使われる水性成分と特徴 | ||
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分類 | 成分名 | 特徴 |
アルコール | エタノール | 揮発性あり。清涼感を演出 べたつきをなくす |
保湿剤 | グリセリン | 保湿力が高く、他の保湿成分の保湿効果をアップさせる |
ジグリセリン | グリセリンと似た性質。低刺激 | |
BG | 油性成分の溶解性アップ、防腐効果アップ | |
DPG | さらっとして商品の伸びを良くする | |
ヘキサンジオール | 多価アルコールの中で抗菌力に優れる | |
ヒアルロン酸Na | 超微量で「トロミ」をつけることができる | |
乳酸Na | 安全性の高い保湿成分で、乾燥防止のため食品にも使用される | |
PCA-Na | 洗浄成分に配合すると洗浄後のつっぱり感が軽減される | |
水溶性コラーゲン | 肌へのなじみが良くさらっとしている | |
ソルビトール | 糖類の一種で、化粧水や乳液などによく使われる | |
スクロース | 糖類の一種。基本的に低刺激 | |
ハチミツ | 肌荒れ防止効果もあり、皮膚の薄い部分にも使用可 | |
ペタイン | アミノ酸の一種で水分となじみやすい |
保湿力が高い水性成分(例) | |
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成分名 | 作用 |
ヒアルロン酸Na | 保湿作用、保護作用 |
カルボキシメチルヒアルロン酸Na | 保湿作用(水分を多く抱え込み、逃さず維持する)。通常のヒアルロン酸Naの3倍の水分保水力 |
スイゼンジノリ多糖体 | 乾燥重量あたり約6000倍の保水性 |
エタノール
揮発性の高いアルコールの一種。別名エチルアルコール。
化粧品でいうアルコールはエタノールだけの事を指す。
グリセリン
3価のアルコール。化粧品や医薬品では保湿剤、潤滑剤として使用されている。
また食品添加物として甘味料や保存料、増粘安定剤などに用いられている。
水と混ぜると発熱する性質がある。
BG(ブチレングリコール)
化学物質アセトアルデヒドから合成される多価アルコール類。
石油由来と植物由来のものがあり、石油由来の方が安定性がある。
べたつきがなく、刺激も少ないため、化粧水や乳液、リキッドファンデーションなどに使われる。
DPG(ジプロピレングリコール)
防腐作用が高く、粘性がありながらさらっとした感触のため、化粧品では保湿剤などに使われる。
ヘキサンジオール
水やアルコールによく溶けること、保湿効果や抗菌力がある事から化粧品の基本成分として使用される、無色透明の多価アルコール。
ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ナトリウム)
高い保湿力を持つ高分子。1gで2~6Lの水分保持力があるとされる。
化粧品では0.01%の微量配合でもテクスチャーに差が出る。
もともと人間の体にある成分だが、加齢によっと減少する。
コラーゲン
動物の体皮や軟骨、腱などを形作る、繊維状のタンパク質。人間の肌、骨、血管に含まれる栄養素。
化粧品でいうコラーゲンは保湿目的で使用される。
※使用する水性成分の違いによって、保湿力だけでなく「抗菌力」にも差が出る